アデライド・ドゥ・シセ
(初代総長/1749-1818)
ピエール・ドゥ・クロリヴィエール神父
(イエズス会士/1735-1820)

創立1791年
フランス、パリ
 
アデライドは、15歳の頃から神と人びとへの奉仕に生きたいと思い始めました。三誓願による聖別奉献と、貧しい人びとへの奉仕を合わせた修道会を探しましたが、18世紀のフランスで見つけることができませんでした。1785年の黙想中に自分が望む奉献生活の形を「敬虔な会の構想」としてまとめました。
この構想には、マリアの御心会の姿がすでに描かれています。「三誓願による神への聖別奉献、禁域も修道服もなく、苦しみ人びとへの奉仕をし、観想と活動を合わせもつ」ことでした。しかし、これは当時の修道生活の概念とはあまりにも異なっていたため、理解者はいませんでした。

1789年フランス革命下、革命政府は、修道会を廃止と教会財産の没収を決議しました。しかし、クロリヴィエール神父は、修道誓願によってこそ、人間の自由と尊厳のために、より大いなる奉仕ができると公言していました。

クロリヴィエール神父(イエズス会)は、1790年7月19日朝、祈りの後で聖霊から突然インスピレーションを受けました。迫害下でも可能な新しい修道会の構想が「一瞬のうち」に示されました。それは、「修道生活の本質である三誓願は保持し、本質以外は柔軟な新しいかたち」でした。修道服や修道院らしい建物は持たず、誓願を生きられるならば、必ずしも共同の家に住む必要はなく、聖母マリアと初代キリスト信者の生き方に倣うものでした。社会の中で人びとと共に生活しながら、イエスに近く従い、迫害で命を賭することも恐れない生き方でした。

アデライドの構想と、クロリヴィエール神父が受けたインスピレーションが重なり、マリアの御心会が創立されました。
革命後、クロリヴィエース神父は、フランスのイエズス会再建の任務を果たしました。