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ベトナム巡礼旅行記(2)

巡礼3日目

 ホテルをチェックアウトして、バスに荷物を積み込み、8時に出発して、無原罪の聖母修道院に向かいました。そこには日本でベトナム人信徒の司牧を担当されているN・H・H神父様のお姉様がいらっしゃり、観光客には見せることのないところまで、案内してくださいました。

お隣にはカルメル会修道院やトゥァン枢機卿が教鞭をとられたという大神学校があり、祈りの場に相応しい環境が整っていました。庭のマリア像には小さな笠がかぶせてあり、夏の日差しの中で少しでも涼しいようにと配慮が伺えました。

 修道院の中には果樹や野菜の畑だけではなく、養鶏場や養豚場もあり、食用にと魚を養殖している生簀もありました。放し飼いにされた何匹かの犬に様子の違う侵入者を警戒してか吠えられることもあり、説明が聞こえないので「少し静かにしてね。」とT神父様が犬を説得される場面もありました。残念ながら、犬たちは日本語を理解できなかったようでした。敷地内には昔の司教館も残されており、今は資料館のように使われているということでした。

 ひと通り見せていただいた後、9時から聖堂でミサがありました。ミサ中の聖歌は、答唱詩篇148のみ日本語で、あとはシスターや修練女たちがベトナム語の聖歌を歌われたのですが、その歌声に聞き惚れてしまいました。

  ミサ後、集会室で山盛りのバナナやヨーグルト、皮をむいたザボンのもてなしを受けました。席についてからはトゥァン枢機卿と同郷のシスターが枢機卿のことについてお話くださり、『5つのパンと2ひきの魚』に書かれていることを復習しました。お話が終わったときにトゥァン枢機卿と枢機卿が作られた十字架の写真をいただき、感激しました。そしてお土産にシスターが作られたラ・ヴァンで売っていたものと同じロザリオのブレスレットとベトナムの美味しいお菓子をいただきました。

 2人のシスターに同行していただいて、次の目的地に向かいました。修道院で少々時間をとってしまった加減もあり、トゥァン枢機卿が司祭として赴任した教会を左奥に見ながら道はカーブし、絶えざる御助けの聖母教会は、バスを降りずに車窓から眺めることになりました。

 通行制限のためバスを手前で降りて、フエのカテドラルでもあるフー・カム教会まで歩きました。大きなペトロとパウロの像が正門を入ったところの両脇に据えられ、しっかりと教会の建物を守っているようでした。この教会はトゥァン枢機卿が通った教会だそうで、同郷のシスターがお兄さんのような存在であったと話してくださいました。時間の都合で枢機卿の生家には寄ることができませんでしたが、教会から歩いて7、8分のところだということでした。

 次に市内観光として、フエの王宮に向かいました。
バスが停まったところから、王宮の入口までは何百メートルという距離でした。旅行社がくれた冊子には、料金や行き先違いのトラブルが多発しているという理由で、シクロやバイクタクシーには乗らないようにと書かれていました。今回は、ガイドさんとコンダクターの勧めもあり、料金交渉済みのシクロに乗りました。

 交渉では往復2ドルで了解してくれたらしく、入口に着くと、「料金は後でいいから見ておいで。ここで待っているから。この番号を覚えておきな。」と、とても親切に言ってくれました。王宮を見学して出てくると大きく手を振って私たちを迎え、さっと乗せてくれたかと思うとすぐさまペダルを漕ぎ出して、バスが待っているところまで連れて行ってくれました。そして手に持っていた2ドルを支払おうとすると、「いや、往復したから4ドルだよ。行って2ドル、帰って2ドル。ね、4ドルだ。」と言うのです。

 「そんな交渉ではなかったでしょ。往復で2ドルでしょ。」と英語で言ってみましたが、「いやいや、4ドルだ。」と聞いてくれませんでした。通じない言葉で何度もやり取りしながら引き伸ばし作戦をとり、ガイドさんが歩いて到着するのを待ちました。「2ドルでもいいけど、待っている間とても暑かったので、のどが渇いた。だから1ドルくれてもいいだろう。」と痺れを切らし始めましたが、断固、2ドルを押し通し、最後、2ドルで諦めてもらいました。お金を受け取るとあっという間に居なくなったのは、ガイドさんから文句を言われるのを嫌ったのでしょうか。

 午後2時半ごろ、ずいぶん遅い昼食ではありましたが、空腹であっただけでなく、確かに美味しいお料理に満足しました。日本の観光客が多いせいか、そこには日本語を話せるウエイトレスが何人か接客していました。そのレストランに、前日の夕方注文したアオザイが届けられました。本当に一晩で完成させたのだと彼らの早業に感心しました。全員が注文して数がたくさんあったとしても、一晩でできたのだろうかと考えてしまった次第です。

 空港に到着し、午後5時10分の飛行機でフエからホーチミンに向かいました。
飛び立った時刻が時刻なので、当たり前のことかもしれませんが、また、機内でコッペパンのサンドイッチが配られました。2度目の経験ということもあり、ホーチミンでの和食を楽しみに、食事を断った人もありました。

 ホーチミン到着後、新しいガイドさんに出会い、バスに乗り込みました。バスは「おはん」という市内の日本料理店に着きました。「いらっさーませ。」と、作務衣風の服装をした女性たちが口々に出迎えてくれました。お料理は松花堂弁当になっていて、運ばれてすぐに一生懸命食べなかったせいか、途中で引かれてしまいそうになりました。閉店まぎわだったのでしょうか。

 さすがにホーチミン市は大きな街なのでしょう。人、バイク、車が多く、ずいぶんフエとは様子が違っていました。並んでいる店の様子も違い、歴史も違うことを感じさせられました。ホテルは都会の一流ホテルの観を呈していました。(続く)

文:A.H;H.F 写真:N.K; J.S; A.T; H.F.



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