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Kumusta Kamo? (how are you?)

ミンダナオ島のダバオに来て2か月を過ごすうちに、「セブアノ語を知らないかぎり、いつまでいてもお客さまだ」と気づきました。そこで9月からセブアノ語の学校の生徒になりました。Antigo ka ba’g Cebuano? (Do you know Cebuano?) Nagbansaybansay ko kanunay. (I am practicing everyday.) という毎日。還暦を過ぎて硬化した頭がびっくり仰天して苦しんでいます。

フィリピンは、7,107の島からできていて、120の言語があるそうです。北部ルソン島のタガログ語が19世紀末から公用語「フィリピン語」とされ、学校教育ではフィリピン語の使用が義務付けられています。しかし実生活では、中部のビサヤ諸島と南部のミンダナオ島ではセブアノ語(=ビサヤ語)が使われています。マニラの中央政府はタガログ語に統一しようとしますが、セブアノ語圏は独自の言語と文化をしっかりと守っています。わたしはタガログで葉なく、セブアノを習う機会に恵まれて幸せです。

フィリピンと聞くと、車の大渋滞と排気ガス、急激な都市化による諸問題を抱える大都市マニラを、あるいは日本からの観光客でにぎわうセブを思い起こす方が多いことでしょう。しかしわたしは、南のミンダナオ島こそフィリピンを代表する一番魅力的な地方であると信じています。ミンダナオの最大の町ダバオ市はフィリピン第2の都市、東京23区の4倍の広さに、約80万人が暮らしています。フィリピン最高峰のアポ山(2,954m)の麓、自然のままの美しい海岸、透きとおる水、緑豊かな町です。一日一度のスコールのおかげで水は豊か、連日の青空、台風とも無関係、暑くても過ごしやすいです。パパイヤ・マンゴ・ドリアン・ライチー・ポメロ・ランブータン・・・フィリピンのフルーツバスケットと呼ばれます。人々は明るく穏やかで親切で、ダバオはまさに南のパラダイスです。

天国にいるはずのダバオの人びとは、フィリピン共通の問題「貧困」に直面しています。フィリピン人は自分たちを「豊かな国土に住む貧しい国民」と表現します。自然と資源に恵まれた豊かな土地に貧しい人々が暮らしているといいます。事実フィリピンで暮らして気づくことは、驚くべき「貧富の差」です。一部の階層が巨大な冨を独占し、7割以上が「貧困層」を占めているのが目に見えます。

インフラの欠如、交通機関の不在、日本では当たり前だった生活基盤の整備がいたるところでなされていません。来た当初は、行政機関は何をしているのかと腹が立ちました。しかし政府にお金がないのです。何しろ国全体に「仕事」がありません。労働人口は有り余り、働く場所がありません。賃金は最低に抑えられてしまいます。月給わずか6,000円であっても仕事があれば幸せです。

フィリピンが出稼ぎ立国であることは有名ですが、最近の新聞の話題は「医師の国外脱出」です。それも、医師たちが新たに看護士の資格を得て看護士としてアメリカに行くのです。理由は、アメリカの看護士の給料がフィリピンの公立病院の医師の給料の「14倍」だからです。このまま放置すると医師や看護士の数が不足し、フィリピンの病院は閉鎖に追い込まれると騒がれています。

グローリア・アロヨ大統領は、今年5月の選挙の際たくさんのすばらしい公約をしました。しかし、国家予算の3分の1を国際債務の返済に当てなければならないの現実が行く手に立ちふさがっています。本来は豊かな国が、途方も泣く貧しい原因の一つは国の借金の返済です。そして日本はその返済金の多くの部分を受け取っています。本来は資源がなく貧しい国土に、豊かな国民が住んでいる日本。フィリピンと日本の豊かさの逆転には、世界の経済構造の矛盾が原因しています。

私はこのように元気で、ダバオの美しい自然に感動しながら、現代世界の矛盾を目の当たりにし、ミンダナオの人々と話せる日を夢見て、セブアノ語習得に励んでいます。

皆様もお元気で。 Salamat.

(IZUMI いずみ会広報第3号より)

SN


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